うつくしい文章

12歳児のマイブームは文通らしい。海外含め彼には4人のペンフレンドがいるそうで、私にも手紙を書けとせがむ。彼は「遠く」に行きたがっている。それを私はひしひしと感じている。

 

面と向かって、「お母さんは手紙は書かないの?」と聞かれ、いやメールはするんだけれどねと言ったら、彼は届くまでの時間を待つのが楽しいという。

便箋を選んだり、ロウで封をしたりしていて、そんな彼を見ていて、その時間が今暫く、今暫く、続いていくことを願った。そして、彼がきっとその手紙の中に、<うつくしいもの>をたくさん詰め込んでいるのだろうと思った。

 

それは決して端正というわけではなく、おそらく無防備で、壊れやすいものだろう。しかしながら、それは彼の中から湧き上がるものであろうから、私はそれを<うつくしいもの>だと思えるのである。

 

明日から京都・神戸・名古屋である。手紙のひとつも書いてみよう。