SCOTの修了研究発表会

RISTEX研究合宿の余韻も冷めぬまま。今日は帝京大学SCOTの修了研究発表会に参加しています。私は、帝京大学に勤務するにあたり、何故彼らがこのような正課外活動に取り組むのか関心を持ちました。それについて調査を行い書いた論文「『学生による授業コンサルティング』における学生の参入動機と学習」が先日、日本教育工学会論文誌に掲載されました。

彼らがSCOTに参入する動機の中で印象的だったのが、「正課外学習への期待」でした。これは、どのようなことが学べるか具体的にはわかっていないけれど何か学べそうな気がするという予感のようなものです。時には心折れそうなこともあると思うのですが、参入する学生は、将来の学びに対して「アタリ」がつけられているように思えます。

SCOTトレーニーは、研修修了にあたって、「ティップス先生の7つの提案(名古屋大学)」の中から1つの提案を選び、自身の問題関心に沿って先行事例調査と提案を行います。トレーニーは1年生ですので、2年生~4年生の先輩(SCOTシニア)が研究活動を支援します。SCOTシニアは発表会当日の運営と自主研究発表も行います。

1年生の1人が、「大学生は大学に居場所を見つけられない」という問題意識から「大学での居場所づくり支援が学生の学習意欲を引き出す」という仮説を立て発表を行っていました。私は大学時代に大学初年次に希望も期待も持てなくなり5月の連休以降から大学に行かなくなってしまった学生だったので、正直SCOTに居るような彼らが眩しく見えてしまいます。

何故、当時の私は大学にきちんと通うことができなかったのだろう?自分自身における初年次の躓きについては、今でもうまく解けない疑問です。私が自身の授業設計において、浮きこぼれも落ちこぼれも無くしたいと思っているのは、自身の大学経験がベースにあることは言うまでもありません。一人の新任大学教員として何ができるのか、折に触れて考えて行ければと思っています。