0点

うちにいる9歳のこどものことを、私は、まだ、よく知らないのだ。

 

彼は、かなりの時間を、小学校というシステムのなかで過ごしている。

そんな彼が夏休みになり家にいるので、この機会に親交を深めたいと思っている。

 

ーー

担任から聞いた話によると、9歳児は学校のテストが0点か50点(満点)か、らしい。

0点。すなわち、限りなく、0。

彼は、テストの時間だと言われても、気が向かないと何もしないのだそうだ。

つまり、やらないから0。

 

笑った。

テストだからやらなきゃ、というルールがまだ彼に埋め込まれていないのだ。

先生は困っているのだろう。

学校の先生は大変だなあ。

 

自分も小さいとき、気が向かないと教室に居ない人だったので面白いなあと思って。

まあ時期がくれば椅子にも座るだろう。

 

ーー

今、彼は元素記号を覚えるのに夢中。興味があることに発揮する神経質なほどの執着がすごい。彼は科学博物館で8月に行われる元素についてのレクチャーを聞きに行きたいと言っている。連れて行って、私はカフェで待とうと思う。

 

自分も小学校3年の時に科博の友の会に入ってレクチャー聞いたり化石を掘ったりしていたので、そういうのは楽しいんだよなあって、共感できる。