出世払い

修士の頃、よく恩師がご飯を奢ってくれた。昼も夜も。

ご飯との口実でついていくのだが、行くと様々な話を聞いてもらえるので好んでいっていた。お会計の際、いいよ出世払いで、と言われ続けた。

 

博士課程の頃だろうか、進路、就職に不安がでてきた時、「出世払い」に不安が出てきた。そもそも、私は出世しそうにないぞ。出世して、恩師に払うためには、どの時期からどう過ごせばいいのだろう?と悩んだことがある。あまりに悩み続け、耐えられなくなって恩師に聞いてみた。

すると、師は笑って、いつでもいいし僕に返すものではないということを言った。師曰く、自分も大学の時、さんざん先輩にご飯をご馳走になったのだそうだ。

 

一宿一飯の恩。

 

思えば、私は、これまで、さんざん人にお世話になっている。私は多くの社会的先輩に大事にされてきた。だから、私は(お金はなくても)後輩を大事にしたいと思う。

世の中、give and give で行かねばならない。