昨日と今日、山口情報芸術センター(YCAM)という施設にいた。
山口市立中央図書館も入っており、たいへんユニークかつ冒険的な施設だと思う。MITメディアラボや、ZKMなんかを思い起こさせるつくりである。
それが2003年に磯崎新の設計によりなされているのだから、ちょっとびっくりだ。私としては、せんだいメディアテークより面白い施設だし使いやすい場所だと思っている。特に階段部分をステージに見立てることができることや、椅子が収納できる舞台、音に対する配慮、徹底したフラットさ。
フラットな空間、そのあちこちに、利用者の滞留行動が見られた。それは、軽やかな談笑を生み出しているようだった。雨の日の昼時、彼・彼女らは照れもなく床にピクニックをするように座り、お弁当やらお菓子を食べていた。
ーー
実はこの施設に行くのは9年ぶりで。
前回の訪問時は、できたてほやほや、だったことになる。
その時も、興味を持ったので数日そこに通いたいがために湯田温泉に滞在し、何日も見ていた(おそらくそれは私にとって、湯田という町への滞在であるとともに、<滞留>だったのだ)。当時は、施設は浮き上がっているように見え、そこまで利用者行動に積極的な場所へのコミットを感じた記憶がない。
当時は、フィールドワークなんて言葉は知る前の私、だったので、極めて印象の問題ではある。でも、この施設は今後どうなるんだろう、、、と思ったように記憶している。
あれから9年。私にもいろんなことがあったわけだが。YCAMにもいろんなことがあったのだろう。
YCAMは、少し町に融解していた。
<滞留>には学びがつまっていると、私は思っている。
こうして私は、またこの場所に心を留め、再訪するのだろう。
そう思った。