開くとき、閉じるとき

わたしはいつもあなたをみている。
大きな目を開き、見ている。

あなたが苦しいときも、哀しいときも。
みている。

あなたが誰かと寄り添うとき、
それがもし私でなかったとしても、
私はそれも見ている。

私には見ていることしかできなかったのだろうか。
そんなことを考えながらみている。

 

あなたが私を見るとき。
私はあなたをみている。

あなたが何かを考えはじめる。
私はあなたのその息づかいを知る。

そのとき私はあなたに寄り添う。
あなたは私の横で目を閉じる。

 

私は見るのをやめ、そっと目を閉じる。