芋粥 

芋粥を食べてしまったのである。

人は容易く幸せを感じてはならないのである。

 

世界の全てが色褪せて見える、そんな魔法にかかった。世界から色が失せて見えると、途端に考えるのは嫌悪であり、その先に思うのは死である。何も希望が持てない、先日までやりたかったこと、知りたかったことが他人ごとのよう、自分の話が自分に関係のない遠いものに思える。

 

少し休養が必要だと思う。まずは苦手な書類から少しでも開放される必要がある。連絡、確認、調整、それらをいったん棄てる必要がある。不義理と言われても生きるために棄てる必要がある。