私は話すことが苦手だ。
包み隠さず全てを話したい衝動に駆られることがある。しかし、ひとは往々にして、全てを聴きたいとは思っていない。
つまり、全てを語ることは話者のエゴである場合がある。
これに気づいたのは小学生の時で、私はお喋りをする相手を慎重に選んでいる。
たまに息急き切ったように話してみては、後悔する。
相手が大事なひとであればあるほど、話すことを躊躇う。
話さない方が、離れなくてよくて楽だなあとも思う。
私は別れてきたひとたちに、まだ、言いたかったことがある。それは離れたくは無かったからだ。でも、往々にして、もう聴きたくないひとは黙り、去っていく。