毎年、大晦日は大学で過ごすことにしている。
静まり返ったキャンパスは、いつもより仕事が捗る。みんなが休んでいるときにも自分は頑張るんだという変な自意識もあるかもしれないけれど、実は、ちょっとした願掛けみたいなところがある。
大晦日を大学で過ごした最初と言えば、修論の頃ではないかと思う。新年早々に修論提出があるので、てんやわんやの時期である。私は修論の年、12月に盲腸の疑いで救急車で運ばれ、もう書けないかもしれないと覚悟する年末だった。なんとか書き切り、その後はすぐにそれを投稿し、キャリアで言えば決して順調とは言えないけれど、それでもその時その時精一杯の論文を、出してきたつもりである。
大晦日に書いている研究室の後輩を想いながら、
自分もまた、初心を忘るべからずという想いで、原稿に向かう。
それが私の大晦日の過ごし方である。
毎年、修論を書いているつもりで取り組めば、1年に1作品は世に出せるんだ。