彩りを探して

今回2週間、イギリスとフランスとドイツを旅してきました。初めてヨーロッパに行ったのが19歳の9月、いま38歳の8月なので、ちょうどよい折り返しをしたと思います。

地図に線を引いたのですが、なかなかの移動距離で、これは連続で行った中では19歳の時以来です。

 

会いたい人や具体的に話し合いたいことがあったのは言うまでもないのですが、それ以上に、今回の旅には、「境目」について考えるというテーマがありました。象徴的なのは国境ということになるのでしょうが、それだけではなくて、私はどんなときにどんなことを感じ考えるのか、自分の中にある境目についても考えてみたかったのです。あと、自分の人生の中にある臨界点のようなものについても再考したかったので、いくつか、契機となったように思う場所や人を再訪することもしました。

 

時間はつながっているので、自分で意図的に、しっかり立ち止まったり巻き戻したりしないと、するすると先に進めてしまうものです。しかし、いまここにいることの意味を考えるためには、時に過去と向き合う必要があります。

 

自分の中で蓋をしてきたものと向き合うのは、ときどき傷口がヒリヒリ痛むわけですが、私は今までしてきたことを何一つ後悔していないということがわかりました。若いなあとか、まっすぐだったなあとか、ものを知らなかったなあとか、弱かったなあとか、そういうことは思うのですが、だからといって、私の人生には「もし・・・だったら」も、「・・・であれば」も無いのです。そういう意味で、とても自然に、とても幸福に生きているのだと思いました。随所でとても良い出逢いにも恵まれ、それは時に別れに通じていることもあるわけですが、それらが全て、腑に落ちるものであるという気がしています。

 

私は臥せったことがおそらく人生で2回はあるのではないかと思うのですが、そのことさえも自分の中で大きな飛躍の原動力になっています。浮力のようなもの、湧き上がる生命力と表現するのが一番しっくりします。とにかく、私は健康かはわかりませんが、タフです。

 

傍にいる人が私の中にある様々な色を全て包み込んでくれていて、その結果として私自身もだんだん自分を理解しはじめています。今が、人生で一番幸せだなあと思います。

 

私は、街角にある様々な色を探して、その色に自分を重ねて生きていきたいと思いました。今回、旅先でたくさんの花を見たのですが、その色の組み合わせに毎回新鮮な感動を覚えましたし、空の色や自然の中にある色と溶けこむように、人の服装や建物の色かたちが決まっていっていることが短期間に長距離移動することでしっかり感じられて、今後に活かせそうな視点も見つかりました。土地土地で言葉も色も変わるのだから、人と人の付き合い方も変わるのでしょうね。当たり前のことでした。

 

私の中の黄色や灰色も見ていてくれる人を大事にしたいと思いましたし、自分もそういうことができるようになりたいと思いました。

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