今日は、大学1年向けの「大学概論Ⅰ」という授業をやった。
この授業では、アカデミック・スキルズと言われるものを教えるのだが、そもそも大学ってどういうところかとか、この大学はどういう歴史背景と理念を持っているのかとか、そして大学で何を学ぶのかとか、そういうことを学ぶことも大きな学習目標になっている。それを、いわゆる「技術」の習得と結びつけながら行っていく。
技術とは具体的に、
・ノートのとりかた
・本の読み方
・資料の探し方
・資料のつくり方
・アイディアのまとめ方
・グループワークのしかた
・プレゼンのつくりかた・しかた
といったようなことだ。
そもそも大学生になって1ヶ月という彼らに、大学とはどんなところかというイメージを聞くと、中にはネガティブなものも沢山でてくる。
だるいと彼らが言った際、それはなぜだるいのかと聞いていくと、案外面白いことが聞けるときがある。往々にして彼らは漠然とした未来に対して不安を感じている。それは私だってかつてそうだったし、だから私は、大学1年の連休明けから大学に通わなくなった。
彼らは、連休明けでも校舎に来ているので、私よりずっと強い。
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今日は、「自分史を書く」という課題をやった。
これは韓国のサードエイジユニバシティでもやっているテーマで(勿論サイズ感は全く違うが)、面白いことが沢山見えてくる。
自分が生まれたときから死ぬまでを年表にするという課題で、形式は紙を横向きに使うこと以外は自由だ。ポイントは、過去・現在だけでなく未来も書くということ。
自分一人でやっているときは「これ何の意味がある課題なの・・」と思う学生もいるようだが、後で小グループで共有(発表フェーズ1)、そのあとで代表を1名決め全体で共有(発表フェーズ2)とし、コメントや質疑を入れ、最後に個人でふりかえりを紙に書いてもらう。
提出されたリフレクションシートを読む限り、(1)自分自身について、(2)発表のしかたについて、多くの気づきを得ているようである。
このワークをやると、初年次のクラスの雰囲気が、ちょっとだけ変わる。良い方向に。
今日もそんな感じがあった。ちゃんと死を意識すると、今、大学で何をするかも考えやすくなるのではないかと思う。
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わりと授業中よく騒ぐ(けれどおそらく賢い)男子学生が、「先生は、先生になって自分のやりたいことできてる?」と聞いてきたので、
「だいたいできてるね」と言った。
「海外とか行けるんですか」と言われたので、わりと行っていると答えたら、先生暇なんですかと言われた。別に、暇だから行ってるんじゃないけどねっ。
彼は大学1年生、周囲が騒ぐのに同調してしまうところがあるが、個人で課題をしている様子をみるときちんとしているのがわかる。小学校の教員になりたいらしく(なら授業中に私語を慎めと思うが)、でも、その進路選択に不安もあるようだった。
沢山悩めばいいと思うけれど、進路を選ぶのは結局自分自身なので、しっかり自分の頭で考えて進むと良いなと思った。主体的に学ぶ、という言葉を、仕事柄よく使ってしまうのだけれど、何故それが必要かと言われたらそれは、個人の幸福のためにあると思っている。