また一つ、大人の階段を登った。
信頼関係を築くというのは、こんな感じなのかなと思った。
本があればいい気がして人づき合いをする意味がわからなかったあの頃。
本を介して、誰かと話がしたかったあの頃。
本を捨てて街に出た、あの頃。
そして、今また、私たちは本の話をしている。
とても好きな詩がいくつもあるので、
それをあなたに教えてあげたい。
声に出して、あなたにそれを読みたい。
母はしょっちゅう、私に詩を読んでくれた。
これいいでしょ、これいいでしょ、と嬉しそうに
彼女は私に、詩を読んでくれた。
私もあなたに、読んであげたい。
声に出して、読みたい。
そしたらお腹が空くので、ご飯を作ってあげたい。
あなたはそれを待つ間、仕事をしたり音楽をしたりする。
それが、私にとっての、大人の階段。