デヴィット・ボウイが亡くなったことも、案外すんなり受け入れられてしまいました。昔よく聴いたのにね。こうやって今まで、大抵の人の死を受け入れてきました。
そんな私は薄情なのでしょうか。
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それよりも、数日前の渋谷シネマライズが閉館の方が考えてしまったのです。
これは、人は必ず死ぬと思っているからで、一方で映画館は閉まると思っていないからなんだと思いました。あくまでも私にとってのリアリティ、想定の範囲内かどうか。
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出逢いかあれば別れがあると思っているから、出逢った傍から離れるときのことばかりを考えてしまう。私はそんな人でした。
私は、自分が両手を広げた距離よりも遠くに相手がいたら、遠いなあと思ってしまう。すごく遠いのかどうかは、さして興味がない。
何も始められないじゃないかというと、そんなことは無くて、終わってしまうものだからこそ愛しく思える。つまり、恋人は去るもの、しかし愛はそこにあるもの。
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では、愛に終わりは来るのでしょうか。
愛は、もしかしたら、映画館みたいなものなのかなと思いました。
いつもあると信じていた。
だからこそ、終わった時、物哀しい。
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私の中で、永遠にシネマライズは生きているんだと思います。