哲学って何の役に立ちますか

父と飲んだ。今や同業者となった父は、良き話し相手である。私は優秀な娘ではなかった。医学部も法学部も受けなかった。ひとり娘がそれでは食いっ逸れると、父は心配した。哲学科に行くと言ったときから、父とは会話が絶えた。一方、私には、どこに行っても食いっ逸れないという「根拠のない自信」があった。弁護士にも医者にもならなくていい。新しい仕事を考えたいと思っていた。今日、父から、君が哲学に行きたかった理由もわかるといわれ、そんなこともあなたは言うようになったのかと思った。本が好き。ネットも好き。言葉が好き。哲学も、わるくないよ。