函館スタディツアー

二泊三日で函館に行ってきました。

はこだてで行われている国際科学祭は、ずっと、存在は知っていました。行ってみたくて、でも、一昨年も去年もやり過ごしました。言い訳としては、費用がないとか時間がないとか。博論を書き終わって、次の職場に移る前。この夏休みしかチャンスがないと思って、一昨日から二泊で行ってきました。最初の一歩が出ないのが悪い癖です。

 

最終的に背中を押されたのは、美馬のゆりさん公立はこだて未来大学)との会議でした。その会議は某学会関連の書籍執筆会議だったのですが、そこで美馬さんが話す、はこだてでの生涯学習のエピソードが本当に興味深かったのです。サイエンスのイベントすると高齢者がしっかりくるのよねという話はまさに自分の関心(高齢者の学びに着眼した「ラーニングフルエイジング研究会」というのを始めます)にもフィットしていました。会議後すぐに日程決め。妄想はカタチになりました。すぐスタディツアー計画を立てました。決めたら速い速い。

 

同時期に気になる情報デザインのワークショップが未来大であったこと、博論提出のご報告とご挨拶を対面でしたかった原田泰さんが未来大にいらしたこと、重なって今回の強行スケジュールを組む動機になりました。原田さんは、私が自分の研究に「デザイン」が欠かせないと痛感したきっかけとなった人です。

 

私には様々な欠損した能力があるのを自覚しています。その一つが視覚表現だと思います。色や音声でばばっと脳裏に過るイメージ、その散逸するすごいスピードの何かを、とめどない量の言葉ではなく、きゅっとカタチにして出すこと。その回路も方法も、私にはどうも無いようです。でも、私は無いことを受けとめることでずいぶん楽になった気がします。そこを誰かに助けてもらったり、そこを誰かと一緒にできると、自分が進めないところに思考を進めていけるのです。以来、私は、研究を進める上で、自分のできないことを理解した上で、言葉ではないことを為すデザイナーと仕事をしようと思い、今に至ります。信頼し、いいたいことを言い、時に頭を抱えながらも、でも、世界にあるカタチと向き合っていきたいのです。

 

話は戻って、科学祭についてですが。何かのフェスティバルが新規で始まり長く続くというのはすごいことです。続くものには仕組み、秘密があるはずで、それはちゃんと見ないとわからないものです。今回短い期間でもその端緒を感じることができました。張り付きで見る方法もありますが、私のような関心分散型は、別の方法で情報を得ようと考えました。今回は、私とは異なるバックグラウンドを持った、デザインの仕事をする二人に、別の旅程でほぼスケジュールもかぶせずに、函館に行ってもらうことにしました。

 

三人で会った時間はわずかです。まだ私以外の二人は函館にいます。情報デザインのワークショップに参加しています。

めいめい、おのおのが関心を持った方向で、函館での学習を進めます。個々が立てたプランすら事前に共有していません。東京に帰ってから3人で報告のご飯会をし、レポートを出します。それは「スタディツアーで学んだこと」みたいなブログ記事で、公開することを想定しています。私のオフィシャルHPがこの秋リニューアルするので、そこにブログとして、今回のことも載せようと考えています。私は合宿型の学び、といってももう少し自由度の高い旅が好きです。14日間で1−2回合流ねみたいなやつです。

 

こういうことを重ねながら、私は、一人では見られないものを見たり、一人では考えられないことを創ったりしてみたいです。

 

函館でお世話になった皆様ありがとうございました。