昨夜の夢

昨夜の夢には、「タイトル」があった。

 

物語仕立てになっており、映画のように上映されるタイプの夢だった。フルカラーで、音楽もついている。支離滅裂ではない。夢に出てきたのは愛しい人で、出てきた場所は行ったことも見たことのないけれど好ましい面白い空間だった。夢を観ながら、その映像体験を楽しいと感じている自分もいて、起きたとき、内容もみながら興奮した自分のこともはっきり覚えていた。

 

そういうとき、休日だなあと思う。現実の世界から切り離されて生きている感じがするので。リアルから倫理的に糾弾されることもない。だって夢なんだからフィクションである。なんとなく、そういう夢のみかたができる日は、とてもいい。

 

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子供の頃、映像に関わることを仕事にしたいなあと思ったきっかけは「寝ているとき自分の面白い夢を観るのが好きだったから」だったなんて誰も信じてくれないだろう。だから、もっともらしい方の理由(嘘ではない)を、他人には言ってきたのだけれど。