すれ違う両者/異なる世界

もやもやすることの多い数日だった。

私自身が問題に巻き込まれたのではない。問題が起きるケースのことを考えていた。具体的には書けないが、抽象的に書くことはできる。

 

【1】情報経路の不透明さ

AとBは同じ情報を取得する必要がある。しかし、Aが情報を入手する経路とBが情報を入手する経路が違う。その後、AとBは同じ時間を共有するのだが、AはBにどのような方法で情報が伝わったかわからない。Bにもわからない。

 

【2】自己肯定感と頑張りすぎる症候群

Aから与えられたタスクが、Bは決められた時間の中で終わらない。でも、Bは終わらないということが自身の評価につながるのではないかとこわい。寧ろ、自分が終わらないことを認めたくない。だからBはついつい「頑張りすぎてしまった」が、何かのタイミングでそのテンションが切れたとき、「あなたが頑張れって言ったから」とAのせいにしてしまう。

 

【3】当事者意識と壁

あなたにはわからないと言ってしまうことで、AはBに壁を作っている。BはAをわかろうにも情報を取得することはできない。Aは、問題を当事者のみで解決しようと考えている。しかし、問題というのは、当事者を取り巻く環境から成立していることもある。Bは、あなたにはわからないと言われた後、どのような行動が取りうるだろうか。

 

【4】スーパーヒーローと名もない人

Aはある技術で一躍時の人となった。憧れの的として紹介される。しかし、Bには、Aの話は遠すぎて真似すらできないと感じてしまう。寧ろ、惨めな気持ちになったと言っている。Aは、誰でもできるの!と勇気づける気持ちで言説を展開する。AとBの間を埋められるものはなんだろうか。

 

これらの問題は、実際に具体的なエピソードとして私が見聞きしたものである。AとBは同じ空間を共有し、コミュニケーションをしている。しかし、AとBは全く違う世界に立っていると考えると解が見えてくるように思う。人は同じ世界を見ていない。

 

だからこそ、AもBも幸せになるためには、AとBがそれぞれ、自身の今いる場所と、これからいたい場所を考えていくしかないのだと思う。AがBのことを考えたり、BがAのことを考えたりするとややこしい。Aが考えることはBの居る場所だし、Bの行きたい場所だ。Bが考えるのも、Aが居る場所であり行きたい場所。つまり、お互いを見るのではなくお互いの居場所を見る必要があるのではないか。

 

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