とりあえずやってみること

先日、150人規模のクリスマスパーティーに参加してきた。

主催するのは2軒のレストラン、どちらも個人店でお世辞にも大きいとはいえない。そんな彼らが、フランク・ロイド設計で文化財となっている大きな建物を借り、イタリア郷土料理とオペラ生歌付きのイベントをするという。聞いたのは1ヶ月前くらいだったか。びっくりした。フローなど大混乱かもしれないとは思ったけれど、面白そうだし、なによりその瞬間に「とりあえず立ち会ってみたくて」、友人と家族を招いて参加した。

f:id:hari_nezumi:20171228013724j:plain

(写真は主催レストランの一つ、DA PEPIのFacebookからダウンロードした)

 

彼らはいつも面白いことをする。バーカロをしたり、生産者ディナーをやったり。

harinezumi-winecellar.hatenadiary.com

新しいことをするのは大変だろう、恐れは無いのかと思う。「どうしてやることにしたの?」と聞くと、どちらのシェフも「面白そうだから」と答える。彼らは大変になることをリスクと捉えていない。寧ろ、日々単調な毎日の中、自分らを奮い立たせる仕掛けが必要ということを知っているのだ。

 

これは、別なところでも聞いたことがある。料理教室に行っているレストランだ。

harinezumi-recipe.hatenadiary.com「料理教室をなぜはじめたのか?」その経緯を尋ねると、ソムリエさんが、ランチタイムの利益率についての他に、「若いスタッフへの刺激」と言っていたのが印象的だった。スタッフは、日々のルーティンに飲み込まれてしまいそうになるときがあるとも。

 

レストランは、毎日、膨大な下ごしらえを前にする。お客が入れば楽しいという人は多いが、店を開けるまで、どうにもやる気が上がらない時があるともよく聞く。また、時には、作りたいものがわからなくなったり、誰のために作っているのかわからなくなったりといった迷いが生じることもあると聞いたこともある。そんなとき、楽しく働くための努力、自分を動機づける仕掛け、そして何かを企てるときの仲間(ネットワーク)が重要になってくるようだ。

 

やったことのないことは、とりあえずやってみるしかない。もちろん、お金を取って仕事でやるので、最低ラインはクリアしなければならない、でも、安牌ばかりではつまらない、とりあえずやってみなければならないのだ。

私は冒険や遊び心を持ったオーナーの居る店が好きだ。彼らの仕事に対する姿勢から、学ぶことは多い。