スパイ生活

女性であることにより男性とどの程度ロスタイムがあるのかということを考えてしまった。婚姻後、旧姓を使用し続けたい場合は、旧姓と新姓が同一人物である証明書を求められることが多々ある。何か謝礼をもらうとき、口座名義やマイナンバーと、仕事での通称が異なることをとやかく言われる。通称はもともとは私の正式な名前だったはずなのだが、今では最早、ペンネームのような扱われ方である。関連資料作成と問い合わせとにかかる時間を通算すると、そこそこな長さになる気がする。

こんなことでは、結婚めんどくさいでしょ、と言わざるをえない。

 

女性であることによって受けるメリットもあると言われるだろう。それは痛感することもある。しかし、上記の件については、あまり腑に落ちたことはない。厄介な家制度のために、私たちは常に2つの印鑑を使い分け、スパイのような生活を強いられている。面白いと思うよりほかにない。

 

あーあと思う度に、「私はこの国でスパイ生活をしているんだ」と思うことにしている。