おむかえ

本郷に行かなかったので、本郷ごはん を書く気分にならない。

 

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うちには9歳の男の子が住んでいるのだけれど、彼は、ちょっと変わっている。

彼が生まれた時から、(私はあてにならなくて頼りにならない人だよ)ということを常々伝えているため、彼はどんどんしっかりしてきた、ような気がする

 

最近、思うところがあり、帰宅時間を早くするようにしている。

マンションの下のオートロックを鳴らすと、彼が「おかえり」と自動ドアを開けてくれる。そしてエレベーターで上がると、開いたところに立って待っていて、出迎えてくれる。「荷物持とうか」と言われるが、まあ重たいものを持たせるのもなあと思うので、傘や上着があれば、それを渡して彼のエスコート心を満足させるようにしている。

そして、彼は少し先を歩き、私を部屋まで連れて行ってドアを開けてくれる。そのあいだの廊下で少しだけ話をする。「今日は疲れた?」とか「夕飯なあに?」とかそんなことを聞かれる。

 

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彼は、玄関の靴を並べるのがすこぶるうまい。玄関のたくさんの靴を、ヒールの高さ順に並べるのだ。

 

そんな彼と過ごすことにも、少しずつ慣れてきた。

今日の月は、すこぶる綺麗だった。