女優

 だってすきなんだもん。

 どんなにつらくてもそばにいたいんだもん。

 

泣き顔で振り向きざまに叫ぶ、この台詞の破壊力たるや。

このシーンを演じているのが、深田恭子、だからこその情感。

 

すなわち、彼女は「芹菜」ではなく、「女優:深田恭子」なのだ。

 

女優とは不思議な仕事だよなって思う。

からだを張っている。魂は売っていない。

美しく、たくましい。

 

淑女のように、時には娼婦のように。

最近の深田恭子の演技を見ていると、アンナ・カリーナを思い出す。